屋島工房では、数年前からドライビンググローブDGを販売しています。非常に好評で折に触れて増産しているのですが、お客様から寄せられる声で気になることも。それは革の厚み。
鹿革の黒なら1.2mm、茶色なら1.4mm以上もあり、通常のドライビンググローブの0.8mm以下という厚さからすると破格の厚みがあります。それはすべてバイク用の革を使っているから。もちろん厚さゆえの包まれる感や耐久性は非常に高いのですが、そこはエアコンの効いた車内で、しかも繊細な動きが要求されるグローブとなれば、厚みが気になる人も多いのではないかもしれません。
以前グローブメーカーにて修行をしていた頃、僕が理想と思えるドライビンググローブを作っていました。それは、英国の伝統あるスポーツレザーを作るメーカーが鞣す革。しなやかで肌触りよく、グリップ感も強く、汗や雨といった水にも強い。その革は、ドライビンググローブとしてだけじゃなく、ゴルフやバッティンググローブとしても使われてきました。
現在は、雑多なコピー商品にとって変わられ、日本国内では、高級品であるその革を使うグローブの需要が無くなり、国内で革を入手することが困難になりましたが、今でも手袋職人の間では、理想的な革として語り継がれています。
今回、兵庫県たつの市にてタンナーを営む友人から、非常に前述のイギリスの革の感じに似た革を入手し、全く新しいドライビンググローブを製作する運びとなりました。
原皮は、ヨーロッパのシープ(羊革)。今回は革の厚みに応じてグローブのパターンを見直し、指先のタッチを優先するためにガンカットを採用しています。手の甲には、通気性を優先する独特の形の穴を配置しました。
手首は手を屈曲しても邪魔にならないようなベルトとカッティング、そして手首をきちんと覆えるようなゴム入れを配置しました。
革への適度なオイル分配合により、ハンドルとのグリップに必要なしっとり感をもたらしています。長距離のドライブで、ハンドルへの力が少なくなり、手の負担も少なくなります。
クラシックな車、現代の車、オープンカー、日常使い、ジャンルを問わないスタイルにしています。ぜひ一度お試しください。
|